第3章(最終章)ずっと待ってるから

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安奈は生きる決意をした。生きる意味を、その理由を知った。私にはまだ生きる時間がある。やりたい事を精一杯全力で活動する時間があるんだ。そう決めた私だけど、現実の自分はどうなっているのだろうか?私は玲奈と一緒に雲の上から自分を見た。うわぁ…また点滴してるし。意識不明の重体だから医療器具に繋がれてるから自分でも見ていてめっちゃ痛かった。 これが…今の私なんだ。私は呼吸はしてるけど、酸素マスクを付けたその痣だらけの顔はいつ死んでもおかしくない顔だ。改めて、安奈は思ったよ。本当にこのままの自分でいいの?って。自分に疑問を投げ掛けたんだ。私はあのまま息を引き取って本当に幸せなのかな?お父さんとお母さんが泣いてる。お母さんは点滴だらけの私のイタイ手をしっかり握って泣いてる。 「安奈…頑張れ。安奈、生きて…まだあんたが死ぬのは勿体無いよ。まだ15なのよ…たった15。こんなとこで死んだら…あんたは本当にバカタレ娘になってしまうよ。だから生きて…安奈。玲奈はあんたに命を託したの、自分の命を。安奈には生きててほしいから…これから生きてく時間いっぱいあるから。」 「安奈、起きてくれ…目を覚ましてくれ。お前が死んだら父さん母さん生きてく意味ねぇよ。安奈が無事生まれてきてくれたから父さん母さんは生きてけんだよ。死ぬなよ…こんな中途半端なとこで…死んだら情けないぞ。」 涙が再び溢れだす。泣いている私の肩を玲奈が抱き寄せる。私、こんなにも愛されてる。生きてちゃいけないって思ってたけどちゃんと愛されてるんだ。望まれてる、私が生きることを。私はやっぱり、死んじゃだめだ!!! 「安奈…これでよく分かったでしょ?あんたはね、生きてく意味ちゃんとあるの。生きてちゃいけない人間なんてこの世にいない。いるとしたら…安奈が言ってるような子どもに虐待をする奴や人を人と思ってない心の人間なんだよ。あんたはそんな人間?」
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