第3章(最終章)ずっと待ってるから

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「安奈!あれが出口だよ!」玲奈が指差した先には扉があった。その扉はこの世とあの世の境目を分ける存在だ。 「あれが…出口?あそこを開ければ私は出れるの?」 「うん…そうだよ。また暫くは私達離ればなれになるけど…ずっと繋がってるからね!私はいつだって、目に見えない姿だけど、安奈がちゃんと一人で 生きていけるか見守ってるからね!」 「見ててね、お姉ちゃん。私が普通に真っ当に生きていけるかどうか…最後まで生き続ける私をこれからも見ててね。」 「安奈…!!」玲奈が私に抱き付いた。私も玲奈とハグをした。温かかった、スゴく凄く温かかった。私達は、双子の姉妹としてこれからも一緒だ。離れていてもずっと繋がってる。私は姉と抱き合った体をそっと離してから扉の向こうへと歩き出した。もう、迷いはない。私は私として歩いてく。今日を、明日を、その先をずっと歩いてく…。またこの先嫌な事、逃げたくなる事があると思う。それでも私は今を生きるって決めたんだ。 気が付くと、私は目が覚めた。点滴や医療器具に繋がれて体のあちこちが痛む。でもいいんだ…私は痛みを感じて生きてるんだ。意識を少し取り戻したんだ。 「安奈…!!」両親が私を呼ぶ声が聞こえる。私は頭をゆっくり動かして声のする方を振り向き、微かに微笑んだ。「お父さん…お母さん…」 「安奈、生きてるよ。ちゃんと生きてる。良かった!安奈が無事生きて良かった!本当良かった!」 「安奈…頑張ったな!よく頑張った」 それからの私はリハビリと後もう暫くの入院を乗り越えて、復学した。今はごく普通の中学生として生きてる。相変わらず勉強も運動もダメダメだけど、好きな科目が出来た。英語だ。まだよく分からない事も多いけど、聞き取りは得意なんだ♪安奈は自分が学びたい事を見つけた。この勉強をもっと続けられたらいいんだけど…。それをお仕事に活かすかどうかはこの先の安奈次第。今は好きな勉強が見つかって、普通に家族と過ごしたり、学校行ったり優奈と遊んだりして生きてる。ごく普通のリアル中学生として生きてるんだ。玲奈、見ててね。安奈はこれからずっと生きてくから…歩いてくからね。だからさ、安奈がちゃんと一人で生きていけるか見守ってて。最後までちゃんと自分たちの人生を真っ当してから、アナタと再会出来る日を「ずっと待ってるから」。(完結)
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