序章 雲の上

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 私は、安奈、歳は15歳の誕生日が来たばかり。それは、学校からの帰り道。 いつもと変わらぬ日常を過ごすはずだった。いつもと同じ一日を終える筈だった。明日は、親友の優奈と新しい洋服を買いに行く約束をしている。 2人でアイスクリームを食べたり、ゲーセンでぬいぐるみを取る楽しみがあった。明日が楽しみで待ちきれない。早く帰って明日の準備しなきゃ・・・!  大きな何かに強くぶつかった私は体が空を舞う。ふわふわと浮いてそのまま地面に転がるように倒れた。背中が、腕が、肩が、頬が、頭が、電流でも流れたように痛い。誰かに強く頭を打ち付けられたような感覚と似ている。 そう、あの日、私は交通事故に遭った。意識さえ、何もかも吹っ飛んだ。その後は微かに聞こえる救急車のサイレンと共に視界が薄れてゆくのが分かった 私は意識が戻らない。このまま私死ぬのかな・・・?そうなってもいいいや。私は生まれた時から病気がちで両親に迷惑掛けてばかり。勉強は出来ないし、生まれて直ぐに発覚した「発達障害」の影響で、勉強の他に日常生活の些細な事でも覚えるのに時間が掛かってしまう自分。それで母に叱られながら、反抗して勉強して、そういう事でも迷惑掛けてきた。何で生まれてきたんだろ?って思った。こんな私はいなくなればいい、生まれてきてごめんなさいって心の何処かで謝ってた。何も聞こえない。私は輪廻転生しているのか?体は魂が抜けたようにすっからかんになった気分。まぁいいや、このまま死ぬんだ。 死ねば、玲奈に会える。あ、玲奈っていうのは私のお姉ちゃん。私、双子なんだ。双子の片割れだったの。両親は私が双子の娘として生まれて来るだろうと心から喜び、望んでいた。でも、生まれてきたのは、安奈だけ。玲奈とはお腹の中で一緒に過ごしてそれっきり。私達はとても小さく生まれてお腹の病気をしたせいで、別々の病院に運ばれた。玲奈は、手術中に私を置いて神様の所へ逝っちゃった。だから、安奈は1人で生まれて、生きてきた。
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