第1章 突然の出逢い

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私はずっと、玲奈に会いたかった。玲奈と安奈が二人とも生まれてくる事が本来の私達だったからだ。双子の相棒、鏡を見たようにそっくりかはわからないもう1人の「私」に会いたいと強く思った。 「安奈!!!」 遠くで私を呼ぶ声がした。まさか?玲奈?いや、あり得ない。現実と仮想の区別がつかなくなったのか?私?夢だ。これは夢だ。現実なわけない。ひょっとしたら私は玲奈のいる天国に着いたということ?私は既に死んでる?わけがわからないまま、私は声のする方へ向かう。ゆっくり、ゆっくりと警戒するように歩いて行く。玲奈?玲奈なの?本当に貴方なら、私は夢の中だけでも嬉しい!夢の中だけでも、あなたという片割れに会えるなら…!此方に向かって歩いてきた女の子の姿を見た時、我が目を疑った。合わせ鏡を見たようにもう1人の私がいた。 え?うそ…あの子が、玲奈?私が父に似て面長顔なのに対し、玲奈は母似の丸顔だった。それ以外は全て私と瓜二つだった。双子というのはこんなによく似るモノなのだろうか?双子芸能人や学生時代の友人に双子姉妹を見て、二人とも無事に生まれてきた事に激しい嫉妬を抱えていた。私も本当はそうなるはずだったから…。
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