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まぁ他にも習慣の違いやら色々苦労もあるけれど、それでも俺はこの世界に生まれてきてよかったと思う。
親もいて、家もあって、食うに困らないし、学校にだって行ける。
わからないことを教えてくれる場所があるということは、とても恵まれたことなのだと知っている。
……もしかして、魔王が苛められても休まず学校に来ているのはそういったこともあるのかもしれないとふと思った。
俺は魔王を保健の先生に引き渡し、さっさと授業に戻った。
初めてまともに話したけれど、これで魔王とどうこうなるつもりなんてなかった。
俺が魔王に近づくのはやはり危険なことだと思うから、翌日からもしっかりと距離はとらせてもらった。
それに対して、魔王もことさらこっちに接触してくることはなかった。
しかし、俺の思惑とは別に、事件はところかまわず起きるのである。
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