闇の告白

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闇の告白

 目を覚ますと闇があった。俺は大学時代の夢を見ていた。【闇の告白】が頭の中で反芻している。  キーを叩くカチャカチャという音が絶えずしている。太った女が、爬虫類の様な目で俺を見た。 「目が覚めたようね?」  「麗子はどこだ!?」  「れ、麗子?」   同窓会の帰りに麗子と災難に見舞われた。ジャージ姿のテロリストたちに拉致されたのだ。 「おまえ、惚けるなよ!?」  「何か誤解をしているようだけど、私はあんたを助けたんだ。感謝くらいしてくれても…」  「はぁ!?」  「おまえを襲ったのは薊会のザコどもさ」   薊会は社会福祉法人で、高齢者介護や障害者介護を手掛けている。女はかつて、薊会の上層部にいた。    山崎の父親は薊会で理事をしていたが、ある理由で殺された。姉である順子は、山崎によって始末された。保身のための犯行だ。 「どうして俺が狙われなくちゃいけないんだ?あんた、一体誰だ?」  「警視庁の向井と言うものですが、何か?」   おぎやはぎかよ!ユニークな豚だ。   頭の中でパズルが組合わさる。奈緒!   あの女は薊会のスパイだったんだ。    記憶がさらに鮮明になる。今まで一緒にいたのは麗子ではない、奈緒だ。 「ところで葛城さん、薊の花言葉を知っていますか?」   豚と蛇の混血児が唐突に言った。   「知らねぇよ!奈緒はどこだ!?」   闇の中で女の瞳が淀む。  「さぁねぇ、薊の花言葉は復讐ですよ」   黒い渦が迫ってきた。微かに硝煙の匂いがした。
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