殺してやる

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 《粉雪が待っている。麗子とつくば山に遊びに…あれ?あの後、どこに行ったんだっけ?エッチしたんだっけ?まぁ、どうでもいいか。戻れない青春、どうしてこんな事になったのかな》   窓の外を見た。フワリフワリと雪が舞う。  稲垣潤一のクリスマスキャロルを、聞きながら日記を書いている。最近、コンポを買い換えた。   あー、人を殺したい。堀田の奴、散々人をコケにしやがって。俺は糞みたいな学習塾で講師をしている。小学生に算数を教えているが、分数の計算が出来なくて担当を外された。 『君は真面目に学校に通っていたのかな?』   秀才気取りの嫌味たらしい堀田の顔が脳裏に現れ、壁をボコボコ殴った。あれ~?痛くない?   ストレスが溜まり過ぎて、感覚がおかしくなったかな?   日記を読み直して手が震えた。粉雪が舞っているが、粉雪が待っているになっていたのだ。  今までならこんなことはなかった!クソッ!堀田の奴!惨殺してやりたい!   しかし、何でこんなにイライラするのだろうか? 認知症の症状の1つに、人格の変化ってのがあったな。俺は父親を自殺脳で失っており、介護を経験したことがあり、ヘルパーになることが夢だ。   俺には自由がない!俺には自由がない!俺には自由がない!殺したい!殺したい!殺したい!   俺はモンキーレンチを物置小屋から出した。   翌朝、K駅前にある冥王塾に赴き堀田を撲殺した。  
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