2人が本棚に入れています
本棚に追加
《粉雪が待っている。麗子とつくば山に遊びに…あれ?あの後、どこに行ったんだっけ?エッチしたんだっけ?まぁ、どうでもいいか。戻れない青春、どうしてこんな事になったのかな》
窓の外を見た。フワリフワリと雪が舞う。
稲垣潤一のクリスマスキャロルを、聞きながら日記を書いている。最近、コンポを買い換えた。
あー、人を殺したい。堀田の奴、散々人をコケにしやがって。俺は糞みたいな学習塾で講師をしている。小学生に算数を教えているが、分数の計算が出来なくて担当を外された。
『君は真面目に学校に通っていたのかな?』
秀才気取りの嫌味たらしい堀田の顔が脳裏に現れ、壁をボコボコ殴った。あれ~?痛くない?
ストレスが溜まり過ぎて、感覚がおかしくなったかな?
日記を読み直して手が震えた。粉雪が舞っているが、粉雪が待っているになっていたのだ。
今までならこんなことはなかった!クソッ!堀田の奴!惨殺してやりたい!
しかし、何でこんなにイライラするのだろうか? 認知症の症状の1つに、人格の変化ってのがあったな。俺は父親を自殺脳で失っており、介護を経験したことがあり、ヘルパーになることが夢だ。
俺には自由がない!俺には自由がない!俺には自由がない!殺したい!殺したい!殺したい!
俺はモンキーレンチを物置小屋から出した。
翌朝、K駅前にある冥王塾に赴き堀田を撲殺した。
最初のコメントを投稿しよう!