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未来からの○○
だ、だ、誰だ?俺は武器になるものがないか、ソファの上のバッグの中を見た。
震えた。グロ○○202○が入っていたのだ。
夢の中だったので良くは覚えていない。
「織田ッチ、何してんの?」
「敵の気配がする」
「おぉ?殺し屋の感覚が戻ってきたかな?」
グロ○○202○を両手に構える。
「奈緒、今年って何年だ?」
「へっ?2016年だけど」
おかしい!これはまだ市場には出回っていない。 ガシャーン!窓が割れる音が聞こえた。
コロン…モスグリーンのゴツゴツした丸いモノが転がる。
「催眠弾だ…」
鼻が詰まって言葉が出ない。プシューッ!
白煙が周囲を覆う。睡魔が急激に襲ってきた。
睡魔せん、スイマセン。
目を覚ますと花舞大学の階段教室にいた。
「大丈夫?カツレツ」
中禅寺が俺を揺さぶる。
「変な夢だったなぁ、殺し屋になっててさ」
夢の出来事だからうまく説明できない。
俺と中禅寺は文芸部を創設し、毎日楽しい日々を送っていた。
「メタルギアのやりすぎじゃないの?」
「爆弾の時間だぁ!」
俺はファットマンの真似をしたつもりだが、周囲の学生に警戒された。
「おい、講義中だぞ」
中国語の教授に叱られた。マントヒヒみたいなジイチャン先生だ。
「葛城、さては寝ていたな?」
「睡魔が襲ってきました。睡魔せん」
「フハハハ、三国志の時代じゃなくて良かったな。出ていきなさい」
「ワシは曹操じゃ、カツレツ君、早々に出ていきなさい」
「中禅寺、おまえもだ!」
中国小社会から追放された俺たちは、ロビーでダベった。
「おまえが寝ていたせいで俺まで被害にあった」
中禅寺が唇を尖らす。俺は自販機でポッカの缶コーヒーを買った。
「不可抗力だからなぁ、仕方ないね」
「柴田恭兵かよ?似てねーよ」
「俺さぁ、昼間になんだか眠くなるんだよね」
ベンチに腰掛け、プルトップを開けた。
ポンポンと背中を叩かれた。麗子が立っていた。 彼女とは現代文講義で仲良くなった。麗子は芥川龍之介が好きらしい。
「ナルコレプシーじゃないの?」
麗子が意味不明なことを口走った。
「誰だ?鳴子なんとかって、ハーフか?」
「一種の睡眠障害よ」
ケータイを出そうとバックに手を入れた…!?
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