Scene1 銃弾《ブレット》なんてさようなら

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「すご~い、全滅!」 「いまのうちに逃げるぞ。」 「ねえねえ、どうやったの?」 「おれは運がいいんだ。」 「奇遇! わたしも運がいいのよ。」  そういうとアンナは屈託なく笑った。  だが銃口は、いまだノエルに向けられている。 「……嘘は言ってない。」 「真実がひとつとはかぎらないわ。」 「けっ、たまんねえな。」  ズタボロのビビッドレッドが街道を抜けてゆく。  すでにアヴァルスの街は離れ、周囲にはまた荒野が広がりはじめていた。
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