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店長はポケットからリモコンを取り出して、ボタンを押す。
すると壁掛けの大きな一枚絵が落ちて、扉があらわれた。
扉を開けると、中には酒樽が積まれていた。
「残念でした、アンナさん。今日は商工会の打ち上げをやっていたのです!」
店長がそう叫ぶと、居合わせた客が一斉に立ち上がり、揃いの法被を羽織った。
「いきますよ!商工会青年部のみなさん!」
『おぉー!』
掛け声とともに青年部会員たちは樽を取り出して、天蓋をハンマーで叩き割る。
強烈なにおいが漂う酒を、手際よく柄杓で注ぎ分けていった。
『乾杯ー!』
活気あふれる青年部会員たちは、一気にバグ酒をあおる――
かくして、アンナはむくつけき大男たちに取り囲まれてしまった。
「そんなもの飲んで、将来ハゲても知らないからね。」
アンナは腰のホルスターに拳銃をしまうと、指の関節をボキボキ鳴らす。
ようやく銃口から逃れたノエルだったが、そんなノエルに、
「逃げたら撃つねっ。」
とアンナは冷ややかに言い放った。
青年部会員の肥大した手が伸びてくる。
アンナはその手を握り返した。
互いに手と手を取り合う、力比べの形となる。
「握り潰してやらァァァ!」
大男に押されてズンと沈み込んだアンナだったが――
アンナは涼しい顔をしていた。
「じゃあ次はわたし。」
アンナは大男の両腕つかんだまま、ひねり上げる。
「にぃぃぃ!?」
大男が悲鳴を上げたがもう遅い。
アンナは大男をぶん投げた。
地面に打ちつけられた大男はあっさり失神してしまう。
「力比べだったら、わたし負けたことないの。」
「ふぬぉぉぉ!!」
雄叫びとともに、青年部会員は次々とアンナに飛びかかる。
しかしアンナはそんな男たちを、ちぎっては投げ、事もなく蹂躙していく。
投げられ、極められ、折られた青年部会員は、あえなく消沈となった。
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