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突然の展開に表情が消えるのがわかる
が、その理由は納得が出来た
暴力を振るわれ、いらないと言われ、殺されそうになった時に…気づいたら
むしろその状況の中で、そうせずに生きる方法はなかったんだろう
喜「……でも…ずっと後悔してて…怖くて…ッ……だから、剣術とか……俺には…」
葵「……そうですか」
後悔している
そう思えるのは、心が優しい証拠だ
まだその部分が残っているのなら、尚更やらせたいと…私は思いますけどね
葵「人は脆いものです。奪うこと、奪われることの怖さを理解しているのなら……次は、守るために力をつければいい。そうは、考えられませんか?」
喜「……守る?」
葵「…大切な何かが出来た時、守る力がなければまた…同じ過ちを繰り返してしまいます。身も心も強くなり、守るための力を養ってはみませんか?」
優しい貴方には、守るための力
既に私はそれも失われているので、教えることしかできませんけどね
後悔を出来るほどの優しさは、やはり私にはないわけですし
私の言葉に目を開き、意を決した表情へと変わった喜一に笑みを向ける
葵「決めましたか?」
喜「……やる。俺、強くなる」
葵「では…契約成立ですね」
何処かすっきりした様子で、目の色を変えた喜一を撫でながら…のほほんとした空気が流れる気がした
これから二人か………
葵「では明日にでも仕事を探しますので、今日はとっとと寝ましょう。あ、お風呂……湯汲みですかね?してきなさい」
喜「明日から!?え、ちょ…え!?」
葵「善は急げ。明日もご飯が食べたいなら働きなさい!」
喜「うぇぇぇぇぇえ!?」
のほほんとした空気?
一瞬ですよね、はい。
そんなこんなで子が増えましたが、寝込みを襲撃される恐れは皆無みたいなので安心です
されてもハッ倒せるし
何だかんだでこの時代でも、自由気儘に生きていられる葵ちゃんなのでした
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