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平気と言いましたが、正確に言えば慣れたというべきでしょう
人が生き絶える瞬間を何度も目にし、自分が死ぬかもしれない瞬間をも…何度も味わった
そんな環境下で自分を安定させる為には、なれる以外の方法がなかったですし
葵「…たまたま私があの場にいたからどうにかなっていますが、本当にたまたまです。私は神ではないので、次また同じことがあった時…必ず助けられるという保証はどこにもない。だからこそ、考えなしな行動はやめなさいという話です」
喜「……うん」
わかればよろしいです
話は以上ですので、そろそろ夕餉の支度を…
バシンッ!!!!!!
葵「ん?」
キュッと、裾を握る喜一にそういい立ち上がろうとすれば……何かを叩きつけるような音が耳に入り、ふと喜一の方に目を向けた
あれ、目の前に竹刀があるぞ?
葵「……おお…気づかなかった」
喜「…っ…知らないで、避けてんの?」
葵「私も驚いた」
一瞬思考が止まりかけたが、とりあえず気合いで回しました。
喜一は手に取った竹刀で私を叩こうとする体勢…私はその竹刀をいつの間にかとった竹刀で防いでいる
や、まじでビビる
私いつ竹刀をとったんだ
葵「や、どうでもいいか。何故突然攻撃を?」
喜「…え、と……」
無意識のうちに攻撃を防いでいる自分にびっくりしたけど、とりあえずその竹刀を振り払います
喜一は少しだけバランスを崩しつつ、離れた場所で構えながら口を開いた
喜「……俺、もっと、強くなりたい。だから、もっと戦いたい」
葵「何故?強さというものは一朝一夕で習得できるものではありませんし、いつも稽古しているでしょう」
喜「稽古じゃなくて!!!」
突然出された大きな声に、場内はシンとした音を一瞬だけ生んだ
私も驚いて目を少しだけ開いたけどて喜一から漂う気を感じ、その口を閉ざした
焦燥感とか、怒りとか、殺気とか
そういうものではなく
これは私が、知らない気配だ
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