天職ですな?

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今の話の流れからして、次は私がいなくても自分一人で戦える力が欲しいとか…そんなところでしょうか ビシバシと伝わってくる喜一の気からは、強い意志を感じられます 喜「俺、もっと強くなって、今度は迷惑かけないようにする…今度は、俺が葵を守れるように…なりたい」 葵「私は、喜一に守られるほど弱くはないですよ」 喜「……わかってる。けど、」 私を守りたいってなんだ 正直自分自身多少強いですよって気持ちはあるけど、最強だとか自惚れるほどじゃない。 私より強い人なんか、五万といるのが事実です けど…年端もいかない子供に守られるほど、落ちぶれているつもりもない そう思いはしたけれど、言葉を吐きかけた喜一のことを考慮し…黙っていれば、喜一は私に剣先を向けた 喜「……葵は強い。それはわかってるけど……もう、あんな事、言われたくないんだ」 葵「…ああ」 なるほど、理解した 真っ直ぐ向けられた剣先は微かにぶれていて、喜一の瞳がその意味を語っている "人でなし" この子はきっと、あの言葉を引きずっているんでしょうね 私は正直、最早気にも留めないけど…まあいいか こちらに剣先を向ける喜一に対し、笑みを浮かべながら同じように構えてやる。喜一は少しだけ目を開いたが…すぐさま私に向かって飛び込んできた 葵「なら、コテンパンに叩き込んであげましょう」 如何なる理由であろうとも、強くなりたいと思う気持ちは…何より自分を成長させますし 強いという基準が、必ずしも力のみなわけではないと教えるのは…また後でいいとしましょうか てなわけで、 葵「圧勝なう」 喜「……ほん、とに……空気、読まねぇな…!!!」 空気は吸うものだよ、ワトソ○くん
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