668人が本棚に入れています
本棚に追加
喜「夕餉の準備は俺がする!葵はそこで茶ァ飲んで待ってて!」
葵「わかりました。…火の扱いは気をつけてやるんですよ?野菜切る時もしっかり手元を見て、指を切らないように気をつけて…」
喜「うううるさい!大丈夫だってば!!」
ばんっ!しゅたたたっ…がしゃーん
葵「……後で片付けるか」
夕餉の準備は俺がする!と勢いよく飛び出した直後に何かが割れた音を聞いた。先が思いやられます
安心してください、消し炭でさえなければなんでも美味しくいただきますなタイプですから
葵「……稽古か」
喜一と話した内容を振り返りつつ、ぽつりと言葉が漏れ出た
稽古っちゃ稽古してましたけど、なんというか…私の稽古は飽くまでワンターンキル殺法でしたから……
教えてしまえば、それ以外の戦い方が難しくなってしまう気がして言わなかった
葵「……仕事、どうしましょうかねぇ」
喜一が教えてくれと言ったのは…誰かを守るために戦える力で。私もそれを養えと、一番最初に教えている。
それを教える張本人が、人を守るための戦い方を知らなかったなんて…良い笑いもんでしょう
正直、喜一を守る為に飛び出したあの時だって……言ってしまえば、初めて人を守るための行為だ
自分でさえびっくりしたんだぞ!ぷん!
可愛くないですね、すみません。
葵「……意外と、出来るものだなぁ」
初めて守る為に戦い、殺さずして場を収めた
本来ならば……というか、今までの私ならきっとすぐ殺してしまっていたのに、殺す気すら起こらないなんて…丸くなったもんです
葵「…殺さずして、か。案外やれたりするかもしれませ…」
シュンッ!
パリィンッ…!!!
葵「………何ですかね?」
一人笑いながら残りの茶を飲もうとすれば、突如として何かがこちらに放たれた。
咄嗟に持っていた湯呑みをそちらに投げれば見事命中し、代わりに気に入っていた湯のみが粉々状態
葵おこだよ?
おこの意味わからないけど、おこだよ
最初のコメントを投稿しよう!