天職ですな?

17/26

666人が本棚に入れています
本棚に追加
/250ページ
小太郎をお店に預け、すぐさま伝えられた場所へと向かう 何もしなければ絡まれることもないはずであり、何かあれば…今度は逃げろとしっかり教えている 強くなりたいと言いはしたが、私との約束を…そう簡単に破ったりするような子じゃないことを、私が一番知っている 葵「っは…!どこだ、くそ!!!」 柄にもなく焦ってしまうのは、この間のことを思い出すからだ 私は当然だが…あの場にいた不逞浪士達ならば喜一の顔を覚えているはずで、私は奴らを生かしたまま…野放しにしてしまっていた。 そらがどれほど浅はかで…危険な行為かを、私は忘れてしまっていたんだ 葵「っ…喜一!!!どこだ!!!」 小太郎が言っていた場所まで来てみて、見当たらない喜一の名を叫ぶ もちろん返事など帰ってくるはずもなく…ただ、その場にいた人々の視線のみが向けられる だめだ、集中できない 見当たらない喜一を探すように辺りを見渡し続ける私は、近くを虱潰しに探すしかないと足を動かそうとした 「なあ、さっきのやばくねぇか?」 「ンなこと言ったって、あいつら最近ここらで暴れてる奴らだろ?何もできやしねぇよ」 ピタリと、その足が止まる すぐ近くから聞こえて来たその声に目を向け、即座にその声を漏らした主達の元へと向かった私は…一人の男の肩を掴んだ 「お、わ!?なん、なんでい!?」 葵「その話、もしかして大の大人が子供相手に手を上げているとか…そんな内容?それなら、場所を教えてほしい」 「は?た、確かに…そうだが……」 葵「場所を教えてください」 突然掴まれた男は驚いた様子で私を見たが、戸惑いながらもその話を聞かせてくれた なんでも、複数の大人達に…子供一人が乱暴をされているという話で 「なんか、誰かを連れてこいみたいな話をしてたぞ。俺たちが見たときは向かいの大通りだったが…っおい!?」 それだけ聞いた私は、礼を言うことすらできないままその場から走り出した 誰かを、連れてこいだ? 私のことを言っているのか? 葵「…っ喜一…!」 もし、そんな理由で喜一がひどい目に合うと言うならば……私は、どうすればいい これは、私のせいだ
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

666人が本棚に入れています
本棚に追加