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「へっ、へぇ……。そう、なんですか。あ、所で……淕さん、今日は一緒に……」
「あっ、ごめん。今日もちょっと、色々あって……ごめんな」
今日こそ一緒に帰れると期待していただけに、あっさりと断られてしまい、僕は強いダメージを受けた。
「香坂? あの……ここんとこ一緒に帰れなくてごめんな。あ、これ……あげるから、元気出して!」
僕が相当落ち込んでいる姿を気にしてか、淕さんは僕に一口サイズのチョコレートを握らせた。
「……淕、さん?」
「本当にごめん。今日だけは……大事な日だから。その代わり、明日いっぱい話そうなっ!」
「……わかりました」
ニッコリと笑う淕さんに、今日も流されてしまった僕は、また何も言えず承諾をしてしまった。
「うん、じゃあ……明日な!」
すると淕さんはそう言うと、あっという間に教室から出て行ってしまった。
一体、明日は何があるんだろう?
実は、誘われた時からそればかり気になっていた。
突然誘われた事に、ビックリしていたのもありますが……。
もっ、もしかして……明日、別れ話が始まる……とか?
ふと頭に思い浮かんだ事は、脆くなった僕の心を打ちのめすには十分でした。
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