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淕さんは何故……こんなに可愛いのでしょうか。
緩めかけた腕で、再び淕さんを抱き締めなおした。
「有難うございます。淕さん……でも僕は、そんなに我慢が出来る人間じゃないんです。今もこうして淕さんが腕の中にいるってだけで……僕はもっと貴方を欲してしまう。もっと、触れたくて……感じたいって望んでしまいます……」
「香坂?」
「だから、自分で抑えられなくなって、淕さんに無理させてしまうのが心配で……」
全て話し終えてから、僕は抱きしめた淕さんから離れようと思った。
僕にとっては、淕さんがとても大切だから……。
「い、いいよ……。触れても、感じても、我侭でも……何でもいい。オ、オレが……香坂から離れたくないんだ。だから、大丈夫……だから。それに今日は、香坂の誕生日なんだし……オレに出来る事なら、何でもしてあげたい……」
「……淕さん」
僕は、何て幸せ者なんでしょうか。
この幸せを噛み締めると同時に、もう一度淕さんをギュッと抱き締めた。
すると、淕さんの手が僕の腕を掴んできた。
「淕さん……」
名前を呼んだ後、僕は愛しさのあまり、目の前にあるうなじに唇で触れた。
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