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再会した頃だったら、
胡散臭い笑顔に見えたことだろう。
けれど、今はむず痒くて仕方ない。
「……腹立つ」
「えっ。どうして!?僕とお菓子食べたくないの……?」
「いいからっ、早く済ませて帰るぞ」
いっぱいになったカゴをレジに運びながら、
後方で小さく笑う声に俺の眉間に深い皺が刻まれた。
…――
「いっちゃん、そのポテトサラダちょーだい♪」
「あ?……じゃあ、その唐揚げ寄こせ」
「いいよー」
帰宅するなり取り敢えず空腹を満たそうと、
買ってきた弁当やツマミを広げた。
「お前は良くこんな遅い時間に唐揚げなんか食べられるよな」
箸で摘み上げたソレに瞳を細める。
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