第3話

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 一瞬動きを止めた俺の腕は、 今度こそ邦久の手に捕まってしまう。  ろくに話したことがないはずの恭一郎と、 どう関係があるというのか。 (接点無さ過ぎるだろ)  不満だと言わんばかりに細めた目を向ける。 ――が、邦久の絶対に引く事の無い強い視線に 俺の方が気圧されてしまった。 (これは、逃げられねぇか…)  すぐに目を逸らした俺を見て、 逃げるつもりがないと悟ったのか邦久は俺の手をそっと離した。 「あの幼馴染と会うのを躊躇ってるなら、ココじゃなくて俺のところに来ればいい」 「邦久…?」 「俺はお前とは仕事仲間で大事な友人だと思ってるからな。心配くらいさせてくれよ」  そんな寂しそうな声で言われたら、 こっちは何も言えなくなるじゃないか。 「……なんか、ズルイ」 「維月が一人で抱え込もうとするからだ」
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