第3話

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 お昼を回り、 漸く客足も落ち着いて来た。 「店長。今日はどうしちゃったんですか?」 「どう……とは?」  客を見送り、散らかした道具を片付けていると、 横から久保が声を掛けてきた。 「いやぁ……何となくですけど、いつも以上にクールだったというか。悪く言えばピリピリしていたっていうか」 「…そうだったか?」 「そうですよ!お客さんも話し掛け辛そうな感じでしたし。…何かあったんですか?」  いつも通り仕事に集中していたつもりだったが、 気持ちのどこかでアイツの事が気になっていて…。 (それがまさか、周りの人間に気付かれるほど動揺していたなんてな)  考えたい事があり過ぎて、 それを無理に押し込んでいたせいか 気持ちが窒息しそうになっていたことに漸く気付いた。
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