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ふと口元を緩める。
「何もない。気にさせて悪かっ…」
「もしかして!今朝のお客さんが原因ですか…?」
(コイツは何気に鋭いから困る)
一度遮られた言葉はそのままにして、
俺は片付けを済ませると手洗い場の前に立つ。
ハンドソープを掌の上に落とし、泡立てる。
「…それは、仕事には関係の無いことだ。プライベートにあまり首を突っ込むなよ」
本当に追究されたくなくて、
軽く言い聞かせるようにあしらう。
(それより、今日家に来るとか言ってたよな…)
久保と話している間も、
アイツのことが頭に浮かぶ。
(ダメだっ。午後も仕事あるんだから、しっかりしねぇと…!)
泡を水で洗い流しながら眉間に皺を寄せる。
「首突っ込むなって言われても、そんな顔してたらやっぱり気になりますって」
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