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鏡に映った久保と目が合う。
(っ……結局、ダメじゃねぇか)
どこか困ったように笑う久保。
俺は額を押さえたくなった。
水を止め、
振り返ると目の前に差し出されたタオルを受け取る。
(なんて顔してんだか…)
――俺なんかの為に…。
タオルで手を拭きながら小さく溜息を零す。
「お前は他人のことを気にし過ぎる。まずは自分の事を考えろよ。試験に失敗しても俺は責任持てないからな」
「そ、それは……っけど!維月ちゃんが何かに悩んでるならやっぱり一緒に考えてあげたい!」
久保の思いの外強い声に
俺は目を丸くした。
(……考えてあげたいって、下に見られてるのか?俺は)
それでも、必死になってくれる久保を、
これ以上突き放す気にはなれなかった。
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