第3話

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「たまには見逃してくれないか?一人で考えたいこともあるんだ」 「お前を一人で考えさせたら、もっとドツボにはまるだろーが。それに、見逃す事の方が多いと思うぞ。だから今回は見逃してやらない」 (……まったく。過保護にも程があるだろ)  そう思うのは何度目か…。  数えるのも面倒だ。 「久保といいお前といい、ここにはお節介な奴しかいねぇのか…」 「お節介をやいてくれる奴がいるってのは、幸せなことだと思うぞ」 「恩着せがましい言い方するなよ」 「本当のことだ」  この様子だと絶対に引いてはくれないだろう。  ジッと向けられた視線から逃れる術が思い浮かばず、 俺は諦めて重い口を開いた。
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