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「お父さま、とてもありがたいお言葉ですが、わたしは目が見えません。けれど、身の回りの世話は自分だけでもできます。わたしは人間の男性と結婚せず、歌を神に捧げるため、歌と結婚しようと思います」
新しいお妃さまは驚き、身代わりは困ったような顔をしながらも、姫の望みであるならば、と認めることにしました。
本当は姫の美しさを使って、他の国の力を得ようと思っていったからでしょう。
身代わりは、次の姫に聞いてみました。
「とても素敵なお言葉ですが、わたしはこんなに醜い上に足が不自由です。けれど、手先を使う仕事はできます。わたしは、病気を救う仕事をし、人々を助ける事に全てを注ぎたいのです」
身代わりは思い通りにならない姫たちに、とうとう怒ってしまいました。
「ええい!お前たちは、どうしてそんなに結婚をしたくないのだ!
子を育てることこそが、女性の一番の幸せではないではないか!」
一番目の姫さまと、二番目の姫さまは不思議そうに顔を見合わせました。
「お父さま。その願いは一番愛しておられる末の姫が叶えるでしょう。末の姫さえ幸せであれば、お父さまは幸せのはずです。わたしたちは、この国の厄介者ということは、よく存じ上げております」
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