おっぱそ

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教室中の窓を割りながら、二人乗りした自転車は学校の廊下を走っていく。 先生も、--友人たちも宛にできない。 何故なら、先生も友人も、それぞれ真っ二つに意見が分かれてしまっているからだ。 俺が目を覚ましたのは保健室。 唯一の中立の立場をとっている、オネエ軍団0r雄っぱい(男のガチムチした筋肉のある胸筋のこと)好きが此処にいる。 こいつらは逆に争うと勝てない。 だが、俺は保健室で目を覚まし起き上がると、記憶を失っていた。 俺はどちらの意見だったのか思い出せない。 俺たちの永遠のクエスチョン。 貧乳が好きか、巨乳が好きか。 今、学園の男どもは、それを争い日夜乱闘を繰り返している。 だが、その理由さえもう俺には思い出せない。 だけど、--だけど、今、廊下を出て、どちら派かと聞かれたら、俺は答えられない。 つまり、どちらの派閥に見つけっても、俺は死ぬ。 くそう。 「ダメだ。思い出せない。俺は! 貧乳が好きだったのか! それとも巨乳か!」 「それとも胸筋か?」 「それはない」 口を挟んだオネエな保健室の先生に、真顔で答えた。 それはない。
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