35 箱

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試験最終日 この学校では試験最終日は午前中に試験を行い、午後には全ての試験結果が出るらしい 午前中の試験を終えた学内は試験から解放された生徒の声で賑わっていた 「暑い…」 昼休みの時間に差し掛かった今、食堂内は生徒がごった返している 日差しが強いせいか、誰もいないテラス 俺は1人、床に座り金属製の塀に寄りかかっている 「暑い…眠い」 今までに無いほど今回の試験で頭を使った そのお陰できっと赤点は免れたと思う 一眠りしようと瞼を閉じる 「でさぁ…」 「マジかよ!!」 いきなり現れた声に瞼を持ち上げて視線だけを動かす 2人の生徒がテラスに近づいてくる その2人を見つめていれば1人と目が合った 「…っ!」 一気に顔を強ばらせる生徒はもう1人の肩を掴んだ 「なんだよ?…!…ほ、他行こうぜ」 俺を見たもう1人は顔を引き攣らせてもう1人とそそくさと離れていった こういう時にジンとバレた事が役に立つ 「はぁ…」 俺は息を吐いて再び瞼を閉じた
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