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テラスで1人、塀に凭れるイチ
「コウタさん?」
「…え?あ、悪い」
俺はメンバーに呼ばれて視線を戻した
…イチ、ご飯食べてないよな
「じゃあ、今日はカラオケに行きますか」
隣で試験結果そっちの気で話すメンバーに苦笑する
「なんすか?」
「いや…お前らって悩みとかないのかなって思っただけ」
いつもニコニコしてるメンバーたち
最近イチが笑ったのを見ていない気がする
「俺だって悩みくらいありますよ…」
「例えば?」
「それはですね、彼女が最近素っ気ないとか?」
天井を見つめたメンバーは笑顔で俺の方に振り向いた
「それ何番目の彼女だよ」
「絶対俺の方が悩みがデカいなっ」
それから悩み自慢にテンションを上げるメンバー
「そういえばリツヤさんは?」
「…また彼女のとこだろ」
最近リツヤは俺たちといるよりも彼女といることが増えた
「なんか言ってましたよね…彼女が怪我したから見舞いに来いってうるさいとか」
「ただのノロケだよな」
話の内容が自分たちの彼女自慢に変わったメンバーを置いて俺はテラスに向かった
ドアを開ければイチはゆっくり瞼を持ち上げる
「…コウタ」
俺を確認したイチは再び瞼を閉じた
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