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カラオケから帰ってリビングのドアを開けた
「…イチ?」
ソファの上でうずくまるイチは寝息を立てている
テーブルの上に置かれた薬が目についた
「…まただ」
最近薬の減りが早い
本当に誰にも言わない方が良いのかな…
「イチ…イチ?」
声を掛けてもイチは反応しなかった
薬とイチのケータイをポケットに入れてイチを抱き上げる
「!…」
前に抱き上げた時よりもイチの体は軽くなっていた
イチをベッドに寝かせ机の上に薬とケータイを置く
「…ん」
唸ったイチは瞼を持ち上げた
「…コ…タ」
「…ただいま」
「ん…おかえり」
寝ぼけ眼で見つめてくるイチの頭を撫でる
その手をイチに掴まれた
「イチ?っ!」
「…コウタ…」
腕を引っ張られたせいで俺はベッドに寝転がるイチの上に覆い被さった
俺の手を掴んだままのイチは目を細めて見つめてくる
「…どうした?」
「ん~ん…」
イチの腕が首に回る
イチから知った匂いが漂った
「うわっ!?」
匂いを気にしていればベッドに体が沈む
「イっ…イチ?」
俺の上に跨ったイチは俺の手を自分の頬に触れさせた
「っはぁ……」
瞼を閉じたイチは吐息を漏らす
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