596人が本棚に入れています
本棚に追加
顔を赤らめたイチは声を荒げた
「だって！いつもみんな普通に舌入れてくるしっ！」
「…え？」
…今なんて言った？
「だから普通舌入れると思っただけでっ！！」
視線を彷徨わせながらイチは声を荒げる
「イチ…みんなって誰？」
肩に触れればイチは動きを止めた
「イチ」
「っそれは…」
視線を彷徨せるイチの頬に触れて顔を上げさせる
「イチ…話して」
「っ怒らないで…」
「怒ってないし、怒らないから言って」
俯いたイチはゆっくり口を開く
「…ミツルに…ヤマト…それから安西と…」
「…と？」
髪を解かして促せばイチはゆっくり顔を上げた
「…本木」
眉間に皺が寄った
「いつ？」
「怒らないって言った」
「怒ってない…イチには怒ってない」
イチを抱き寄せて背中を撫でる
「俺は…イチに怒ってるわけじゃないし、怒る権利もない。ただ、それが合意の上なのかどうかで俺は…っ」
俺の頬に触れたイチは額をくっ付けた
「大丈夫…もう、終わったことだ…それから」
まっすぐ見つめてくるイチは目を細めた
「ごめんね…俺は好きになれない…誰も好きになれないんだ」
「っなんで」
「約束したから…守らなきゃ」
イチの頬を涙が伝った
最初のコメントを投稿しよう！