猛煙の中で

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━━━━1年後 「あははっ!楽しいねっ…一樹!」 「ああ、そうだな」 俺たちは遊園地にいた。 コーヒーカップをゆっくりと回す俺に対し、 「ぶーっ…もっと早くー!早く回して!」 と彼女は抗議を上げた。 「おーし…今の台詞後悔するなよ…?うおらぁぁぁぁ!」 「きゃー!……はーやーいー!」 俺は、今幸せな生活を送っている。 あの時のことを彼女に聞いても何かとはぐらかされて何にも教えてくれない。 今が幸せな以上、大して気にならなくなってきたが、俺は未だに自分の名前しか分からない状況だ。 彼女は俺によく尽くしてくれて、料理も旨いし、何かと面倒を見てくれる本当に良い奴だ。 「今日楽しかったね!ねっ…一樹…!」 「ああ、すっごく楽しかったな」 「また来よーねっ!」 「そうだな」 俺は今、幸せな生活を送っている。
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