序章 尊き師の遺言

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「チェックメイト。」 低く深みのある声で彼は小さく呟いた。 もう一度チェス盤全体を見直し、完全に詰んでいることを見直すとフッとほんの少しだけ満足げな笑みがこぼれた。 玉座の間の扉がゆっくりと音をたてずに開かれたのはそれとほぼ同時だっただろう。 彼はチェス盤から目を離すと玉座の間への訪問者に目をむけた。 黒にも少し近い群青色の髪を短く切り揃え、軍服を纏いその胸に勲章を携えた無表情な女性がこちらに歩いてくる。
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