プロローグ

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俺の祖父は魔法使いだった。祖父は俺が生まれる直前に死んでしまったから、直接会ったことはない。 祖父はたった2つを除いて全ての病を完治させる魔法が使えた。 それは世界を驚愕させた。しかし魔法は誰でも使える安易な品物ではなかった。世界で魔法が使えたのは祖父だけだった。故に世界中の誰もが祖父の力を欲した。 祖父は根っからのお人好しだったため、自身の力を人のために使った。人生のほとんど全てを名も知らぬ他人にために費やした。 そんな祖父は『無病』で亡くなった。それは体が消えて『無』くなる『病』。祖父の体は一片も残ることなく消えてなくなった。 この世から消えた祖父の意志は父に受け継がれた。父は魔法が使えない代わりにずば抜けた頭脳を持っており、祖父の魔法を科学で確立させた。 祖父の魔法は父の手で形を変えて世界中に拡がった。 そして、世界から病が消えた。
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