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こっそりと頬を染める僕をよそに。
「そんな物、貴恵のに決まってるだろ?」
紅一点。
我が家でガーターなんて身につけるのは
お姉様だけに決まってる。
征司が言うと
「――裏庭で?」
あらぬ疑いを抱いた薫が
汚らわしいものでも掴んでいたかのように
中川の方へレースのガーターを放り投げた。
「洗濯物が風で飛んだだけかも」
仮面夫は複雑な顔をして
美しい口元をほんの少し歪める。
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