信じる

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「あたしは竜とこうして話してるより寝顔を見ている方が多いわよ。」 「…。」 竜は耳まで赤くなって、 「そうか?」 弥生はうなづいて、 「竜の寝顔大好きだよ…。」 弥生が竜を見つめる…。 竜も弥生を見つめる…。 弥生は思い出したように、 「そうそう、さっきの看護師が急に用事が出来たからお昼は無理です。って言ってたわ。」 竜は話の流れが変わってホッとした。 「本当かよ…。ちぇっ!せっかく楽しみにしてたのに…。」 「だから、あたしが案内してあげるよ!」 竜は、弥生をチラッと見ておかしいと思った。さっき、財布も持たずにジュースを買いに行った時の慌てた様子…。竜はムッとして、 「もぅいいから帰れよ!」 「どうして?いいじゃないあたしでも!」 「お前、なんで後からまこさんが病院を案内するって知ってんだよ!」 「…。」 弥生は黙り込んで下を向いた。 「じゃあな!」 竜が顔を背ける。 「何でそんなに怒るのよっ!もしかして、あの子の事好きなの?」 竜はそんな事考えた事も無かった…。ただ、俺が弱っていた時、まこが隣で励ましてくれたり、助けてくれたりしていた…。ただ、まこの笑顔を見ているとホッとして…。 竜が黙っていると弥生が、 「もぅいいわよっ!でも明日も来るんだから!後から出て来た子なんかに絶対に竜は渡さないんだからっ!」 弥生はドアをドンっと閉めて帰って行った。…絶対竜はあの子になんか渡さない!…。 弥生が廊下を歩いていると、調度まこが部屋から出てくるとこだった。まこの目は真っ赤に腫れていた。弥生が思いっきりまこを睨みつけて、 絶対あなたなんかに竜は渡さないからっ!何よ!後からノコノコ出て来て!どうせ竜が退院したらあなたの事なんてお払い箱よっ!」 と、言いプイッと横を向いて帰って行った。 まこは何が起こったのか全く分からなくてキョトンとしていた。 …竜君が退院したら…私はお払い箱…。今は竜君の顔見れないよ…。まこは取り敢えずナースステーションへ入って行く。先輩看護師がまこの顔を見て、 「なんて顔してんのよっ!そんな顔で病院の中をうろうろしないで!洗面所で顔を洗ってらっしゃい!」 と、言ったので、まこはそのまま洗面所へ行きタオルで瞼を冷やした。大分腫れが引いて来たので又ナースステーションへと戻ってみると、先輩看護師が、 「105号室の和泉君が直ぐに来てくれって。」
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