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「どうしたんですか?!」
「おっさんが…おっさんがっ!戻って来そうになってるんだっ!早く…早く呼び戻さないとっ!」
竜は村田を揺さぶりながら必死に叫んだ。看護師は村田に付けている機械を見て直ぐに、
「とっ!取り敢えずあなたは外に出ていてっ!早く!」
叫びに近い声で竜を押しやった。看護師は直ぐにナースコールを押し、
「大変ですっ!直ぐに先生を呼んでっ!村田さんがっ!早く!」
直ぐに他の看護師達と村田の主治医らしい奴が走って来た。中では何かが起こっているらしい…。竜は必死で祈った。祈る事しかできなかった…。
…頼む…おっさんを助けてくれ…
ピッ…ピッ…ピッ…
「先生!心拍数がだんだん下がってきています!」
主治医は眉を寄せて、
「心臓マッサージを行う。」
看護師達は一斉に顔色が変わった…。主治医が心臓マッサージに取り掛かる。
「先生!血圧が!」
ピッ……ピッ………ピッ…………
「先生っ!」
ピッ………………ピッ………………ピ…ピピ……………………
看護師達は一斉に息を飲んだ…。
村田の呼吸は止まっていた…。
看護師達はピクリとも動かず村田を見守っていた…。主治医は尚もマッサージを続けた…。皆んながもう駄目だ…。と、思っていた…。
病室の外で竜は、
「頼む…おっさんを助けてくれ…頼む…。」
何度も何度も繰り返していた…。竜はいたたまれなくなって大声で叫んだ!
「おっさん!!!頼む!!!戻ってくれっっっ!」
皆んなが駄目だと思い、シーンと静まり返った中、
突然…
ピッ……………ピピピッ………
「心臓が…。」
声にならない様な声で1人が呟いた…。
「先生っ!呼吸も再開しましたっ!」
まこは緊張が途切れたのか、フラっと倒れて意識を失った…。
何分経ったのか…何時間経ったのか…先生と看護師達が中から出て来た…。先生は竜に向かって、
「決して油断は出来ないが…一命は取りとめたから、君も部屋に戻りなさい。」
と、言って竜の肩に手を置いた…。
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