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朝眼が覚めた時「昨日の事は全部夢だったんじゃないか…?」と、思いながらリビングへと向かった。 母親は疲れきった顔をしていて、目も真っ赤に腫れていた。俺はいたたまれなくなってご飯も食べずに学校へと向かった。 …学校での皆んなの目は冷たかった… 誰も声をかけてくる奴なんかいなかった。仲の良かった友達も皆んな俺を避けていた。 学校の帰りに上級生が5人くらいやって来て、 「お前んとこの親父、警察に捕まったんだってなぁー。そんな奴の子供が学校なんかにくるなよ!」 と、言って来た。周りの奴らも「そうだそうだ!」と、はやしたてた。俺はその中の1人に掴みかかっていってそいつの顔を何発も殴ってやった。その後、一斉に全員からボコボコに殴られた。気がつくともう誰も居なくなっていて、俺は痛みをこらえながら家に帰った。不思議な事に涙は一粒も出てこなかった。 家に帰ると、俺が殴った奴とそいつの母親が来ていた。俺の母親は俺の顔を見るなり、 「竜!謝りなさい!」 と、言って理由も聞かずに怒鳴った…。俺はあやまらなかった。俺は悪い事をしていない…。そいつの母親が、 「やっぱり父親が父親だからね。」 と、言った。俺の母親は何度も何度も頭を下げていた。俺はすぐに二階へ上がっていった。 …俺は、悪い事なんかしていない。…もう誰も信じない…。 それから母親はほとんど家に居なくなった。夜はスナックで働いていて、毎晩夜中に酔っ払いながら帰って来て俺の知らない男がしょっちゅう来るようになった。そのうち、俺が邪魔になったんだろう…。俺は大阪にある祖母の家に預けられた…。それから中学を卒業するまでずっと大阪で過ごした。 中学に入学してから友達ができた。いわゆる、不良グループの仲間に入ったんだ。毎日毎日喧嘩にあけくれ、万引き、かつあげ、酒、タバコ…。俺は喧嘩がめちゃくちゃ強かった。だからいつからか誰も俺には逆らう奴が居なくなっていった。
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