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さぁ、ここからが今の俺だぜっ!今までのは俺の昔話って訳。 えーと、まず最初に自己紹介から始めるか! 俺の名前は和泉 竜。高校一年。特技は…喧嘩かな?性格、短気。彼女は今んとこいない。こんなもんかな…。じゃあ、続きを…。 竜がいつものゲーセンでたむろっていると、 「おい。竜。又来たぜ。あのおっさん。」 勇次が耳打ちしてきた。 この勇次ってのはいつも俺の側にいる、いわゆる使いパシリみたいな奴だ。 「やぁ、竜君。今日も誘いに来たぞ。」 髭面のおっさんがいつもの通りにニコニコと近づいて来る。…このおっさん、ここ1カ月くらい俺をスカウトに来てるんだ。 「おっさん、何回来てもやらねぇもんはやらねぇよ。」 竜がいつもの様にぶっきら棒に言うと、いつもなら「じゃあ、又明日来るよ。」と、言って帰って行くのに今日は中々帰らない。いつも笑っているおっさんが真剣な眼差しになる…。 「竜君、君には本当の友達がいるのかい?本当に信じられる友達は何人いるんだい?今の君の目は死んでいる…。寂しいって言っている…。」 竜は見られたくない部分を見透かされているような気がしてみるみる頭に血が上っていった。次の瞬間竜はおっさんの顔をおもいっきり殴っていた。 「お前に俺の何が分かるってゆうんだ!!」 おっさんは後ろに吹っ飛んだ。鼻と口から血が出ている…。ゲーセンの店員が慌てて警察を呼んだ。竜が呆然としていると勇次が手を引っ張った。 「竜!何してんだ!早くばっくれんぞ!」 竜はハッと我に返り慌てて逃げ出した。逃げてる途中サイレンの音が近づいて来た。竜は仲間達と無我夢中で走った。…俺は、何故かイラついていた。おっさんが言った、たった一言の言葉に…。 そしていつもいる空き地に着いた。勇次が息を切らせながら、 「竜、いったいどうしちまったんだよ…。」 「何でもねえよ!何かあいつの顔見てたら急にイラついてきたんだ!」 「竜、今度ポリコーに捕まったらやばいんだろ?」 竜はムッとして何も答えずに歩き出した。 「おい!竜!」 勇次も後から付いて来る。他の仲間達は竜が抜けた事に気付かないのか気づいてない振りをしているのか誰一人、声をかけてくる奴はいない…。
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