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底に花びらのくっついたコップをメイドに渡し、両手を広げ大きな伸びをした。
「ふあー。今日の朝食は自分の部屋で食べたいわ。持ってきていただけないかしら。」
枕元に無造作に置いてある最近買ってもらったばかりの携帯電話を探しながら言った。
そんなもの必要ないとお母さまに言われたので、お父さまを説得して説得してやっと人並みに携帯電話を持つことが許されたのである。両親とのホットライン機能とGPS機能までついているけどね。もう子供じゃないのに。
携帯電話を拾い上げると、メイドが驚いたように話し始めた。
「お嬢様。今日は大臣の方々やご家族を招いての朝食ですわ。急いでご準備していただかなければ!」
げっ。今日がそうだっけ…。最悪だ。
部屋で朝食を食べられないからではない。大臣達の顔を朝っぱらから見なければならないのもこの際どうでもいい。
問題は、その家族が来ることだ。
「家族が来るってことはポールやマイクも…」
「はい、もちろんいらっしゃいます。」
メイドがにこやかに答えた。
あー、今日は厄日なのかもしれない。
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