お姫さまの欲しいもの

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早くも携帯電話を持ったことを後悔した。 何故なら、今日の朝食に招待されている中にいわゆるわたしの“メル友”がいるからだ。 マイク、ポール、それにメイ。みんな歳も近く、大臣の息子、娘である。 わたしが携帯電話を持ったことを知り、3人とも自分の連絡先をよこしてきたのだ。 特別仲がいいわけでも、仲良くしたいわけでもないけど空っぽのアドレス帳ではなくなることが嬉しくてついメッセージを送ってしまったのだった。 メッセージのやり取りをしているうちに、3人の意図が見えてきた。 マイクはわたしをディナーに招待したいと言ってきた。最初は社交辞令だと思ったけど、あまりにもしつこいので本気らしい。 プリンセスだから、というのももちろんあるだろうが、わたしは自分で言うのもなんだけど可愛い方なのだ。 というのも、世界の美しいプリンセスに毎回ランクインしているし、国内ではわたしのファッションを真似する子もいるみたい。自分で言うのは気が引けるけど、容姿には自信がある。 だから、マイクが熱心にデートに誘ってくるのが嫌でメッセージを無視して3日目。気まずい状況での朝食となった。
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