序章 トモリの日記

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そう、夜中に空を見上げれば私が想像できないような世界で暮らしている人たちが、今もいるんだ。 なんだか不思議だなぁ。 おばあちゃんの話はいつも驚かされてばっかりだよ。 パパやママは行商で長い旅に出ている。 私はここダイナゴヤで生まれて育った。 おばあちゃんのもとで。 もう15年も前のこと。 パパやママは私をおばあちゃんに預け、あちこちに生活用品を売って回っている。 年に何度か帰ってくる程度。 私はおばあちゃんと一緒に、このダイナゴヤの街でパパやママの帰りを待っているんだ。 おばあちゃんの薬も安いものじゃない。 なんせ薬草を取りに行くには、森に行かなくちゃいけないもんね。
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