鴛鴦夫婦

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間が悪いことに、息子も病院の屋上に足を運ばせていたようで、鉢合せになってしまった。 吸い欠けの煙草を地面へ落とし、右の踵で火種を磨り潰し、飲み欠けの蜂蜜のように甘ったるい缶珈琲の残りを一気に飲み干してから、息子を出迎えた。 ぶっきらぼうな歓迎の言葉を投げ掛けたことに不服なのか、その表情は暗い。
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