ACT:0

3/10
前へ
/12ページ
次へ
××× 殺したいほど憎い奴がいる。 誰だってそうだろう? 一時の感情でも良い。募らせてきた憎悪でも良い。とにかく誰かを憎いと──殺したいと──そう思ったことがあるだろう? 俺にもいる。ずっと憎んできた奴がいる。 いつだって俺の邪魔をするあの女が憎い。 殺してやりたいほどに憎くて、憎くて、仕方ない。 今回だってそうだ。 ようやく俺の前から消え去って、邪魔者がいなくったと思ったのに……いなくなっても尚、お前は俺の邪魔をする! 憎い。あぁ憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。 この憎悪は消えない。 この激情は鎮まらない。 たとえお前が俺の目の前から消えたとしても、お前がこの世に存在していることが──どこまでも俺の邪魔をするお前のことが──俺は、たまらなく、憎い! ……だからこそ俺は選んだ。 この選択をすると決めた。 全てを手に入れるため。 俺がこの世界を手に入れるために。 俺は今ここに、悪魔以上に憎まれる存在を手なずける。 あぁ、すぐにでも──俺のもとに連れ戻してやるぞ、愚妹!
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加