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殺したいほど憎い奴がいる。
誰だってそうだろう?
一時の感情でも良い。募らせてきた憎悪でも良い。とにかく誰かを憎いと──殺したいと──そう思ったことがあるだろう?
俺にもいる。ずっと憎んできた奴がいる。
いつだって俺の邪魔をするあの女が憎い。
殺してやりたいほどに憎くて、憎くて、仕方ない。
今回だってそうだ。
ようやく俺の前から消え去って、邪魔者がいなくったと思ったのに……いなくなっても尚、お前は俺の邪魔をする!
憎い。あぁ憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。
この憎悪は消えない。
この激情は鎮まらない。
たとえお前が俺の目の前から消えたとしても、お前がこの世に存在していることが──どこまでも俺の邪魔をするお前のことが──俺は、たまらなく、憎い!
……だからこそ俺は選んだ。
この選択をすると決めた。
全てを手に入れるため。
俺がこの世界を手に入れるために。
俺は今ここに、悪魔以上に憎まれる存在を手なずける。
あぁ、すぐにでも──俺のもとに連れ戻してやるぞ、愚妹!
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