152人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
彼は言う。
不幸は自らが招いた結果である、と。誰のせいにするでもなく、それは自らの行いによって導いてしまっているものなのだと。
もちろん、持論である。
「銃口と同じだ」
カチャリと音がした。冷たい金属が、生暖かな皮膚に押し付けられる。彼は咥えた煙草を吸い、大きく吐き出した。煙と共に、落ちかけていた灰が宙を舞った。
「俺の銃口がお前の額に向いてんのも」
少しだけ銃口が額から離れる。
それが、死の合図。
「お前自身のせいだろう?」
冷ややかな笑みと共に、冷たい弾丸が放たれた。
最初のコメントを投稿しよう!