0人が本棚に入れています
本棚に追加
A「卒業かぁ………短いね、中学なんて。」
卒業式も終わり誰もいない教室で彼女が呟くように言った。
沢山のメッセージが書かれた黒板をそっと撫でる。
もうここに来ることもない。
B「そう…だな。」
思い募ってそれしか言葉に出来なかった。
光を纏ったカーテンが揺れる。
しんとした空気の中鼓動が波を打っていた。
ここを逃したらもう会えないかも知れない。
でもあと一歩の勇気が出てこない。
ふと彼女が微笑みながら涙を溢した。
A「もう君とも会えないかもしれないのか。」
嫌だなと言うかすれた彼女の声が鼓膜を震わせる。
何でもない言葉の羅列に胸が焦がされた。
あぁ、とようやく理解した。
やっぱりこのままなんて嫌だ。
A「じゃあね。今までありがとう」
彼女が目の前を通りすぎていく。
自分は反射的にその手を掴んだ。
B「なぁ………」
俺さ、ずっと━━━━
君に告ぐ3秒前。
最初のコメントを投稿しよう!