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「危ないっ!」
キキーッ
え…何…?
「お母さん…?ねえ!!お母さん!!お母さん!!」
お母さん、ハンバーグは?ハンバーグ作ってくれるんじゃなかったの?
ねえ、えのきはどうするの?
私からお母さんを奪わないで。
―――気付いた時には白い壁と一つの窓しかない殺風景な部屋に寝ていた。
「起きましたか?耶奈田結愛さんですよね?」
「お母さんは?」
「…」
「お母さんはどこ、ですか?」
「お母様は、亡くなりました。トラックの運転手の運転ミスだそうです。」
ガシャンッ…
私の中で何かが弾けた気がした。
何も考えたくない。感じたくない。忘れよう。
そうは言っても、簡単には割り切れない。そう思っていた。が、お母さんが死んだということに感情が付いていかなかったのか、本当に何も感じなかった。
ほんとに悲しいときは感情さえ生まれないんだ。
「わかりました。ありがとうございます。」
少し驚いたような顔をしたが、看護師さんは何も言わずに部屋を出ていった。
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