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「お待たせしました」
玄関のドアを開けると、上品で華奢な女性がまず目に入った。
主任が出てくると思っていたんだろう、驚いたように私を見つめているのは…。
「佐伯主任のお母様ですね、初めまして私『蘭まひろ』と申します」
「あ、あなたが翔真の……。初めまして翔真の母です」
「蘭さん、ご無沙汰してます」
主任の弟さんも当然一緒だよね。
あの邦都市での異業種交流会以来だ。
「お久し振りです、祥平さん。お二人ともどうぞお入りください」
時刻は13:00。
今日は6人だからテーブルではなく和室でってことなので、私と主任が隣に座り、向かい側にお母さんと弟さんが座るという配置になった。
「貴浩兄さんがまだだな。父さんは時間には間に合うように戻ると言ってたんだけど」
4人で先に話を進めていていいものか、迷っている感じ。
妙に居心地の悪い空気が流れるけど、どうしたらいいのか分からない。
重苦しい雰囲気の中、主任がまた口を開いた。
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