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ずっと黙って話を聞いていた主任が、すっと立ち上がって部屋を出て行こうとする。
「しゅ、主任……。どうしたんですか?」
「ちょっとブレイクタイム。休憩させてくれ」
振り返りもせず一言呟くとそのまま部屋を出てしまった。
居ても立ってもいられず主任を追いかけようとした私を、吉田先生が引き止めた。
「まひろさん、ちょっとだけアイツを1人にしてやってくれないか?ほんの10分くらいだけ」
「え、でも…。いいんですか?1人にして」
今すぐにでも主任のそばに行きたかった。
何を言えばいいのかなんて分からないけど、ただそばにいたい。
「翔真は今1人で自分の気持ちを整理してるはずだ。自分の部屋で1人でいろいろ考えてるんだよ。昔から翔真は自分をコントロールするのが上手かったけど、そうさせたのは私だ…」
そっか、主任が自分を律して弱さを人に見せないのは昔からだったんだ。
でも私には弱さも全部見せてほしい。
「あんまり放っておくとキッチリ整理をつけてしまうから、その前にまひろさんがアイツの想いを吐き出させてやって欲しいんだ。まひろさんにしか出来ない役目だよ。そして、アイツに伝えて欲しい事があるんだ」
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