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主任の部屋の前で深呼吸する。
この閉じられたドアの向こうで主任はどんな想いを抱えているんだろう?
そして私はどういう言葉をかけてあげたらいいのだろう?
コンコンとドアをノックし反応を待ったけど、返事はない。
ちょっと悩んだけど思いきってドアを開けて中を見ると、こちらに背中を向け窓の外を見ている主任の姿が目に入った。
顔だけ振り返った主任と視線が交わる。
「来たのか、まひろ」
一言だけ呟くと、また窓の方を向いてしまった主任。
私はまだ、言葉を発することができずにいる。
「まさか俺が泣いてるとでも?慰めに来たのか。俺を誰だと思ってるんだ?ちょっと休憩したかっただけだよ。もうちょっとしたら戻るつもりだったんだ……。わざわざ呼び戻しに来なくても」
よかった。
まだ完全には整理がついてないみたい。
間に合った、よね。
いつも私を助けてくれた主任を、今度は私が楽にしてあげたい。
その愛しい背中に飛び付くようにして、抱きついた。
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