The truth

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だけど今は………。 私の考えてる事を見透かされないように、にっこり笑った。 不安を感じる必要なんてない。 主任がこうして私と一緒にいてくれることが私を安心させてくれるんだから。 主任はそんな私を見て何か言いたげだったけど、私と同じようににっこり笑ってくれた。 「美味いなコレ。またまひろの"初めて"を貰ったんだから特別美味く感じる。また作ってくれよ」 「はい、喜んで………」 2人の時間は穏やかで、これから始まる会合のことを忘れてしまいそうになる。 それでも時間は等しく過ぎていくもの。 もうそろそろ、いらっしゃる頃かな? 約束の時間が刻一刻と近づくと共に、緊張が高まっていく。 吉田先生まだお戻りにならないけど、いいのかな。 時刻は12:50。 ピンポーンと玄関の呼び鈴が鳴った。 吉田先生なら鳴らさずに入って来るはずだから、違うだろう。 ということは………。 「はーい。主任、私が出ますね」 ドキドキしながら玄関へと急いだ。
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