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あれから俺の事を思いだしてくれたことはあるのだろうか。
同性が好きだという事を周りには言えず、好きになった男を無理やりな理由で縛り付け、無理やり抱いた高校生の頃。
幼い頃に小さなことでいじめられたことがあった。
数年後、俺をいじめていた子供はそんなことあったっけ?って覚えていなかった。
俺だけがあの時の苦痛を忘れられずにいるのに。
それと同じように、彼はあれを苦痛だと…そう感じて俺を思い出してくれるだろうか。
きっと思い出さないだろう。
思い出して恋い焦がれるのは…俺だけだ。
「あんなことするんじゃなかったなぁ」
好きになれる人なんていない。
思い出すのは、マコトの顔だけ。
ノートに綴られる恋の歌詞はいつも彼に向けての想いそのものだ。
それを誰にも言わず、男から女への想いを歌っているなんてメンバーに話したひとつの歌詞。
その歌詞にメロディがついて、先日メジャーデビューすることができた。
これでまたマコトとは正反対の道に進んでいく。
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